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借金の第三者弁済について

第三者弁済が行われたときの債権者の地位には不安定な要素がありましたが、2020年の改正民法ではその地位の安定化が図られました。ここでは、民法改正に対応した第三者弁済について詳しく解説しています。

そもそも第三者弁済とは

債務者以外の第三者が債権者に債務を弁済することを「第三者弁済」といいます。ここでの「第三者」とは、債務について法律上の利害関係を有していません。また法律上の利害関係がないため、保証人は含まれません。第三者弁済が法的に成立する要件と効果について考えてみましょう。

第三者弁済で債権・債務はなくなるのか

法的要件を満たした時、第三者弁済が行われると債権・債務は消滅します。しかし債権者に弁済した第三者は、債務者に弁済による代位による「求償権」が発生します。

「求償権」とは、債務を弁済した第三者が債務者に債務の弁済分を請求する権利です。第三者弁済の第三者に該当しない人からの債弁済でも、債権者からみれば弁済を受けられるため問題ないと考えられます。しかし、この第三者弁済が法的に認められないこともあります。

第三者弁済が認められるケース

第三者弁済が認められるためには、法的な要件が必要です。第三者弁済が認められるケースについて考えていきます。

第三者は正当な利益が必要なケース

第三者弁済を行うには、第三者に正当な利益が必要です。正当な利益を有する第三者を民法は法定しています。債務の担保をするために自身の不動産に担保設定した物上保証人、担保不動産の購入者など、担保不動産の賃借人、留置権者、後順位抵当権者などです。なお保証人は、保証契約に基づくものなので第三者弁済の第三者には当たりません。

第三者に正当な利益がない場合で、債務者の意思に反しないケース

第三者に正当な利益がないケースでも全ての弁済が無効になるわけではありません。第三者に該当しない者が債務の弁済を行う場合は、債務者の意思に反しないことが大前提です。例えば、第三者に該当しない親が債務者の意思に反しない債務の弁済をしたときは、その弁済は有効です。

第三者弁済が債務者の意思に反することを債権者が知らないケース

第三者弁済の弁済者が債務者の意思に反する弁済であるかを債権者が分からないことも考えられます。正当な利益がない第三者が債務者の意思に反して弁済した場合でも、債権者が知らなかったケースは、その第三者弁済は有効です。例えば親が借金を返済することを本人が認めていない場合でも、債権者がそのことを知らないで弁済を受領したときは、その第三者弁済は有効です。

第三者弁済が認められないケース

第三者弁済は法的要件で有効性が決まります。第三者弁済が有効と認められないケースについて考えていきます。

債務者以外の弁済が認められない債務のケース

債務の性質上から考えて、本人以外の弁済ができないケースは第三者弁済が無効であることは当然です。例えばオペラ歌手のコンサートを他の人のコンサートに変更しても、第三者が当債務を弁済したことにはなりません。

契約の当事者が第三者弁済を認めないケース

債権債務の契約時に第三者弁済を禁止している場合は、第三者弁済行うことはできません。

正当な利益がなく債権者が拒否するケース

民法改正で正当な利益のない第三者が弁済するとき、債権者は拒否できませんでした。このとき債務者の意思に反することが分かれば第三者弁済は無効となり、債権者は原状回復が必要でした。改正民法により、債権者が正当な利益のない第三者からの弁済を拒否できるようになったことで、債務者の借金を肩代わりする闇金業者の弁済を断れるようになりました。

第三者弁済と代位弁済の違いとは

債務者の保証人が債務者に弁済する場合でも、保証人には求償権が発生します。この保証人が債務者に代わって債権者に弁済することを代位弁済といいますが、第三者弁済とはどう異なるのでしょうか。

第三者弁済の第三者は、弁済義務のない債務者の債務の弁済を行う人をいいます。この第三者は民法で法定されているため、この民法で法定されていない人が行っても第三者弁済に該当しません。保証契約の保証人は債務者に代わって債権者に弁済しますが、保証人は保証契約に基づき弁済するので、民法が定める第三者に該当しません。

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