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貸金業者の借金の返済も厳しくなった際、任意整理を検討することもあるでしょう。その際、弁護士や司法書士から過払い金の返還請求を勧められ、借金を返済する必要がなくことも。この過払い金の返還請求は任意整理をする前に調査しますが、貸金業者からお金が返還される理由を知らない人は少なくありません。ここでは任意整理と過払い金請求の違いについて解説しています。
過払い金は、利息制限法の上限利息を超える出資法の上限利息が適応された時代につくった借金の払い過ぎた利息のことです。2010年6月に利息制限法の利息に統一されたため、出資法の上限利息から利息制限法の上限利息を引いたグレーゾーン金利を過払い金として返還請求ができます。任意整理を考えるときには、この過払い金の返還請求を考える必要があります。この過払い金の返還請求をすることで、借金の支払い額が減額するだけでなく、手元にお金が戻ってくる可能性もあるのです。
債務整理は、債務者が借金の返済が難しいとき、減額・免除が可能になる法的手続きです。債務整理には、法的要件の種類によって、任意整理・個人再生・自己破産があります。任意整理は、将来の借金の利息を減額して返済する法的手続きです。個人再生は、大幅に借金を圧縮して3年から5年で返済する法的手続きです。自己破産は、ほぼ全ての借金が免除される法的手続きです。この債務整理は、借金の減額や免除が可能ですが、個人の資産の処分が必要な場合もあり、信用情報機関のブラックリストに掲載されます。ブラックリストに掲載されることで、クレジットカードの作成に影響が出てしまいます。
過払い金は、利息制限法の上限金利に統一される以前に借金をして、出資法の上限金利が適用されていたときの借金の払い過ぎた金利を取り戻すことです。一方債務整理は今の借金を減額または免除する方法です。過払い金の返還請求は債務整理とは異なり、ブラックリストに掲載されることはありません。ただし借金の返済中に過払い金請求を行なった際、過払い金の返還額よりも借金の残額が大きければ、任意整理と同様にブラックリストに掲載されます。
任意整理の相談を弁護士や司法書士に行なうと、過払い金の有無について調査します。過払い金の要件を満たしていれば、任意整理の必要がない可能性もあるからです。金融業者ごとの取引履歴を調べて、規則制限法の上限利息をもとに計算します。過払い金があり、その返還請求をしても、借金が残る場合に任意整理を行います。過払い金がある任意整理でも、過払い金の分が借金の元本減額されるため、将来の借金の返済も容易になります。
クレジットカードやローンに影響はありません。任意整理の前に過払い金の返還請求をし、できる限り借金をなくすことを勧めます。また過払い金の返還請求には最初の取引から10年の時効もあるため、任意整理後に過払い金返還請求権の消滅時効にかかる可能性もあります。
過払い金の返還請求には、最初の取引から10年の時効があります。とりあえず貸金業者から支払い督促を止めたいため、任意整理を急ぐ場合もあるでしょう。過払い金の返還請求をし、任意整理を行う場合のタイミングについて考えてみましょう。
任意整理の前に過払い金返還請求を行い、過払い金を借金の充当に充て、借金がなくなれば、任意整理の手続きに進む必要はありません。このとき、信用情報機関のブラックリストに登録されることはなく、クレジットカードやローンに影響はありません。任意整理の前に過払い金の返還請求を行ない、できる限り借金をなくすことを勧めます。
過払い金の返還請求をしても借金が残り、任意整理をする場合は、ブラックリストに登録されます。しかし過払い金の返還分で借金の元本を減額できるため、任意整理後の返済も容易になります。任意整理後の過払い金の返還請求は難しいため、任意整理の前に過払い金の返還請求を行うことを勧めます。