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借金返済に債務不履行はあり得る?金銭債務の履行不能について

契約は債権者と債務者の意思表示で成立し、どちらかが法的義務を果たさないならば、債務不履行となります。しかし、借金を含む金銭債務に履行できないことは法的に認められません。履行できないならば、債務整理を実施することが必要です。ここでは、金銭債務の債務不履行と債務整理について解説しています。

債務不履行とは

当事者間の意思表示の合致があれば、契約が基本的に成立します。この契約は債権と債務から構成され、お互いに契約履行の義務が生じます。しかし、その一方の当事者が契約を遵守できなければ、もう片方の当事者に大きな損失を生じさせてしまいます。このように、契約で定めた義務を果たせないことを債務不履行といいます。

債務不履行が発生すると、債務履行を果たした契約者にとって、自分の債権の履行だけを行ったことになり、損失を被ります。そこで、債務不履行に対する法的な救済手続きが定められています。債務不履行の種類に応じて、契約解除、強制履行、損害賠償請求などが定められています。

そもそも債権・債務とは

具体的な売買契約の債権・債務について考えてみます。ある商品を購入するとき、消費者からみれば、商品を引き取る債権と代金を支払う債務が生じます。販売者からみれば、代金を受け取る債権と商品を引き渡す債務が生じます。このように、同じ契約でも主体者と客体者が変われば、債権・債務の関係は変わります。

債務不履行の種類

債務不履行の種類は3つあります。履行不能、履行遅滞、不完全履行です。ここで、債務不履行の種類とその法的救済について考えてみます。

履行不能

債務の履行ができなくなることを履行不能といいます。履行不能の判断は、契約の内容と社会通念で評価します。例えば、特定の商品を配達途中に破損させた場合が履行不能に該当します。債務者と債権者のどちらがその責任を負うかを危険負担といい、債務者が基本的に責任を負います。このとき、債権者は、契約の解除、損害賠償請求を行えます。

履行遅滞

契約では期日が定められるのが一般的です。その契約の期日に遅れても契約が履行されないことを履行遅滞といいます。例えば、特定の商品が契約期日までに届かないことなどがあげられます。このとき、債権者は、強制履行、契約解除、損害賠償請求を行えます。

不完全履行

債務は履行されたが、その内容が不完全であることを不完全履行といいます。この不完全履行は、その状況に応じて履行不能と履行遅滞に分けられます。そして、債権者は相応の法的な救済を請求することができます。

債務不履行と不法行為の違い

債務不履行は法的な義務を果たさないことでしたが、不法行為は契約とは関係なく故意や過失によって損害を与えてしまうことです。不法行為による損害賠償請求をするには、故意や過失があることが必要です。また、債務不履行によって損害が発生しているならば、損害賠償請求をすることができます。

借金・債務による債務不履行は認められる?

借金の支払い債務は金銭債務です。この金銭債務は債務者が期限までに支払う契約であるため、不可抗力での履行不能であっても損害賠償する必要があります。金銭債務は自分で調達することが可能であるからです。このときの損害賠償には遅延損害金も含みます。よって、借金の支払いはどのような理由でも履行不能にならず、金融業者に支払うことが必要です。

借金を減らす3つの債務整理

金銭債務である借金の返済に履行不能が認められないため、借金を返せないならば債務整理をすることが必要です。ここでは、3つの債務整理の方法について考えていきます。

任意整理

任意整理は、借金の利息を減額し、将来的に返済できるように裁判外で交渉することです。債務整理の対象を選択できることが任意整理の特徴です。弁護士等の受任通知で金融業者の取り立てが法的に停止します。裁判外での交渉になるため、比較的短期間で債務整理を行えます。

任意整理

個人再生

個人再生は裁判所を通じた債務整理で、借金を5分の1から10分の1程度減額することができます。個人再生は大幅に借金を減額できますが、将来的に借金を返済していくことが必要です。そのため、裁判所が認める将来の収入の見込みも必要です。

個人整理

自己破産

自己破産は、裁判所を通じて、権利の制約とともに借金の全額を免除してもらう制度です。家や車などの財産も処分することが必要です。官報に名前も掲載され、職業や資格の制限を受けてしまいます。無職や生活保護者でも申請できます。

自己破産

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