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複数の貸金業者に借金返済をしていると、支払管理だけでも労力がかかります。複数の貸金業者の金利を比較すると1つの貸金業者に借金をまとめたほうが、毎月の返済額を減らせる可能性もあります。ここでは、複数の貸金業者への借金をまとめる借金一本化について考えていきます。
貸金業者の金利の違いを考慮して、複数の貸金業者の借入を1つの貸金業者にまとめることを「借金一本化」と言います。
複数の貸金業者から借入がある場合、銀行などの金融機関から借入れを受けて、借入れのある貸金業者の借金を完済します。そして借入れをまとめた金融機関への借金を返還します。高金利で貸金業者から借入れをしていた場合、金利が抑えられるため、毎月の返済額や返済総額を減らせる可能性もあります。
借金の一本化とよく似たものに「乗り換え」があります。乗り換えとは、高金利のローンを低金利のローンに借り換えること。1社から1社へ乗り換えます。一方借金の一本化は、複数の貸金業者を1社にまとめることを言い、借入先の数によって使い分けされています。しかし、借金の一本化のことを、金融機関によっては「おまとめローン」ではなく「のりかえローン」などの名称も使われていることもあります。
借金の一本化は、貸金業者の金利を考慮した契約の変更です。債務整理は、借金の減額や免除を行うための制度です。債務整理では、信用情報機関のブラックリストに掲載されますが、借金一本化は契約の変更であり、信用情報に傷が付くことはありません。借金一本化をはじめ、借金の返済方法を変えたい場合や借金の返済が難しい場合には債務整理を検討することが一般的です。
借金の一本化は、金融機関の金利差を考えて、借金の総額や返済方法を変更すること手法です。ここで、借金一本化のメリットについて考えてみましょう。
複数の貸金業者に借金を返済しているとその管理だけでも手間がかかります。貸金業者の返済日もそれぞれ異なるため、うっかり滞納してしまう可能性もあります。滞納すると遅延損害金も発生するため、無駄な借金が増えることに。借金を一本化することで、返済日を間違えることも少なくなり、管理の手間が減ります。
借金一本化の最大のメリットは、金利を下げて返済を容易に変更することです。今まで高金利で借金をしていたため、利息の支払いだけでも大変だった場合には、借金の一本化で金利を下げられるのは大きいでしょう。
低金利で借金の一本化ができれば、利息を下げることや毎月の返済額を減らすことも可能です。今まで借金の返済だけに追われる生活から、無理のない借金返済の計画が立てられます。毎月の返済額を減らせば、生活も余裕が出てきます。
貸金業者は、年収の3分の1を超える貸し付けをしてはならないと総量規制で決められています。借金の一本化をする場合、この総量規制の制限を受けることなく、3分の1以上の借入も可能となります。
借金の一本化は、債務整理と異なり、信用情報機関のブラックリストに載ることはありません。借金の一本化は、借入れの契約を変更するだけです。
借金の一本化には向いていないケースももちろんあります。借金の一本化によって、返済期間が延びることや総返済額が増えることもあります。ここでは、借金の一本化のデメリットについて考えていきます。
借金の一本化で、金利を減らして利息を減らすことができても、毎月の返済額を減らせる代わりに返済期間が延びることもあります。返済期間を延ばしてでも毎月の返済額を減らしたいかを確認しましょう。
借金の一本化を行うには、審査に合格することも必要です。複数の貸金業者から借入れがある場合などは、審査を通ることのハードルが上がります。
毎月の返済額を減らし、返済期間を延ばすことで、返済総額が増加する可能性があります。借金の総額が増えても、毎月の返済額を減らしたいかを検討することが必要です。
貸金業者は即日融資も可能ですが、借金の一本化は即日の対応が難しい傾向にあります。複数の貸金業者からの借入を審査するためです。
複数の貸金業者から借入れがあると、返済能力に問題があると評価され、審査に受かりにくい傾向にあります。審査を受ける前にできる限り、借入れのある貸金業者を減らしましょう。
金融機関が設けている上限金利をはじめに確認しましょう。上限金利は、金融機関の最高金利のことです。上限金利は金融機関ごとに設定されており、それぞれ異なります。
借金を一本化するには、「おまとめローン」の金額枠に注意が必要です。金額枠以上の貸金業者からの借入がある場合は、借金の一本化の意味が薄れてしまいます。
借金の一本化は、今までの借入よりも高金利では意味がありません。そして毎月の返済額が適当であるかも重要です。毎月の生活費の他に、失業などの緊急事態も起こります。そうしたことも考慮しておきましょう。